Tokyo PartU〜東京探訪4
渋谷・原宿(代々木体育館・表参道ヒルズ・ヴィトン他)
青山〜六本木(国立新美術館・東京ミッドタウン他)
本郷(JFA日本サッカーミュージアム)
上野界隈(ソフィテル東京・東京国立博物館宝物館他)
2007/2/2〜4
reported by Tadashi Ito
第2日目(2月3日)土曜日
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ホテルで朝食を済ませ、早々に浜松町を出発、渋谷へ。
渋谷駅からは界隈を素通り、そのまま公園通りを抜けて代々木体育館方面に向かう。
9:48
渋谷カンパリビル(料飲ビル)
公園通り渋谷公会堂の前に有る。普通のビルの外壁面をアルミルーバーで着飾らせた看板ビルに仕立てている。

9:49
渋谷公会堂前公園時計台(設計:三菱地所)とNHK放送センター(1973年、山下設計他)

代々木体育館(国立国内綜合競技場)(1964年、設計:丹下健三)
言わずと知れた現代日本の名建築である。シェル構造で造られたこの建物は、40年以上経った現在でも美しく斬新な形態で、圧倒的な存在感を誇っている。



9:50
←渋谷側から見る。

10:14
←原宿(明治神宮)側から見る。

相も変わらぬこの景色。学生時代(1980年頃)、渋谷区富ヶ谷に有った校舎から、歩いてここを抜けて渋谷・原宿・代々木公園等遊びに行った事を思い出します。


原宿駅前歩道橋から見る。(ジャンプ)
アイスバーグビルTHE ICEBERG(2006年、設計:CDI青山スタジオ)
10:06
代々木体育館前から谷間を挟んで原宿方向にシンボリックにそびえ立つのが、1〜2階に「アウディフォーラム東京」が入居する商業ビル、「THE ICEBERG」。
設計は同じく原宿のヴェロックス28を設計したCDI青山スタジオによるもの。
彼らのガラスを豊富に使用した透明感有る躍動的で斬新な形態とデザインは、目を見張るものがあり、とにかく驚かされる。
10:21五輪橋(オリンピック橋)を抜けて原宿・表参道へ抜ける。
この橋の下の谷間を山手線が走っている。東京オリンピック(1964年)にちなんで一般公募により命名されデザインされたそうである。
ルイ・ヴィトン表参道LOUIS VUITTON OMOTESANDOU(2002年8月、設計:青木淳建築計画事務所)
10:42,10:54
道路反対側からはパンチングメタルのルーバーを通してガラス内部までよく見えるのだが、下から見上げた時には上階に行くほどスタンダードなヴィトン色一色になり、透明感も無くなり、トランクバックを重ねたような、落ち着いたたたずまいになっている。
ルイ・ヴィトン銀座とどちらが好きかと言われると好みだろうが、私はこちらの方が好きである。
ディオール表参道Dior OMOTESANDOU(2003年12月、設計:妹島和世+西沢立衛/SANAA )
10:36
縦に積み重ねられた乳白のアクリルケースがそのまま空に抜けていくような、何とも言えない透明感と軽さが、とても女性らしい感性を感じさせられた。屋上左上のディオールのトレードマークである「ラッキースター」は、ピーターパンのティンカーベルの忘れ物のような気がして、その神秘さの中に可愛らしさを発見したような喜びを感じたのは、私だけだろうか?
乾さんのディーオール銀座とは、またひと味違った、素敵な建物だと思う。
表参道ヒルズ(2006年2月、設計:安藤忠雄、森ビル設計)
昨年はオープン初日で全く近付けなかったが、1年経過すると、内外共、ゆっくりと見学する事が出来た。
開店時間は11:00と、思ったより遅く、その間、20〜30分程、建物周囲をぐるっと見て廻ったり、正面にあるTOD’S表参道ビルを始め、まだ静かな竹下通りや近辺の建築を散策して過ごした。
10:34
←原宿駅側からの表参道ヒルズ始まり。


10:34
↓左上。上り側からのサイドビュー。
10:43
↓右上。下り側からのサイドビュー。
10:41
↓左下。中央エントランス。
10:43
↓左下。一番上り側(青山通り側)には、昔(旧・同潤会青山アパート)のたたずまいの雰囲気を残した商業ゾーンが有る。
表参道ヒルズ内観
11:16
最近見慣れてしまったのか、入居しているテナントが単独の有名ブランドショップが多い程度で、、郊外のショッピングプロムナードとさほど変わらない雰囲気の内観に感じられた。これと言って驚くような仕掛けも無いような。。。




表参道ヒルズに入った記念?に、ダンヒルショップに行き、ついつい小さな布地ショールダーバックをトリニータ観戦用(双眼鏡とデジカメ入れ)として、衝動買いしてしまった(^_^;)。デパート気分ですね。



表参道ヒルズの最上階から最下階まで流し流し見学したあと、天気も良いし、歩いて国立新美術館に行くことに決定。表参道をそのまま下って青山通り(国道246)を超え、プラダ・南青山スクエアを横目に、ヨックモック本店に到着。ここでクッキーをかじりながら珈琲ブレークした。
フォリフォリ(Folli Follie)青山店(2006年4月)
12:18
フォリフォリになっていた。日本では初めての独立店舗だと思う。外観ファサードは昨年見た時(既設・・・ただ単に、薄汚れたアパートの目隠しスクリーンだと思っていたのだが、失礼<(_ _)>店舗だったんだね。納得。)のままで、ディスプレイは変わっている。
最近流行語である一種の「リノベーション」なんだろうか?リノベーション・・・わかりやすく言うと、古くなった建物をその機能を保ちながら改装又はリニューアルする工事の事である。


コレッツィオーネCOLLEZIONE (1999年、設計:安藤忠雄)
12:20
昨年表参道ヒルズがオープンした為そう珍しくもないのだろうが、東京地区で安東さん設計の商業ビルはこれくらいのものだったようだ。(関西ではゴロゴロしてるんだけどね。)

原宿・青山界隈は有名・無名建築家が設計した素敵な建物がそれこそ多いので、次を急ぎ、外観のみ拝見させて頂いて通り過ぎた。
フロムファーストビル(1975年10月、設計:山下和正)
12:21
1976年の日本建築学会賞受賞作品である。学生の頃訳もわからず見学に行った。同時期建設の顔の家と合わせて山下さんの初期代表作であろう。
今では珍しさも無いかも知れないが、当時、内部吹抜空間構成を、「都会のオアシス空間」的に捕らえた印象は、今でも覚えている。
I+STYLERS(アイ・スタイラーズ)南青山本店
12:24
オリジナル家具・インテリア用品のの製造販売及びコーディネートを行っている会社のようである。
南青山4丁目交差点にコンパクトながらシンボリックに建っているので目を引く。上層階の硝子張りの吹抜スペースは何なんだろう?余程景色が良いのかな?これだけ中が見えるという事は、その分外から見られても良いパブリックなスペースと言う事だろう(^_^;)。
南青山堀部ビルOXY HORIBE (1990年、設計:大杉喜彦建築綜合研究所)
12:28
堀部美行さんと言う有名な美容家(美容師)の拠点の建物である。1階のオアシス(OASIS)と言う美容室を含め美容の複合店舗になっているようだ。
12:36
そのまま青山墓地を通り抜けて六本木へ。
この辺は少し高台になっているようだ。東京の中でも、樹木も少なく周囲が開けているので、景色も良い。日当たり抜群の環境である。六本木ヒルズ森タワーが全景を現してきた。
国立新美術館The National art Center,TOKYO(2006年6月、設計:黒川紀章)
12:39昨年は森タワーから工事中の撮影だったが、2007年1月21日に開館。この建物の見学が今回私の1番の目的である。幾何学的に湾曲した硝子貼りのファサードはとにかく圧巻でである。
13:30東京メトロ六本木駅方面からここに初めて訪れた人達が、路地を抜けて、突然目の前に現れた硝子貼りの巨大な建物を見て「うゎ!」と発する気持ちもよくわかる気がする。
オープンからやっていた企画展「黒川紀章展」もこの日2回目の土曜日を迎え、黒川さんと奥さんの若尾文子のトークショー企画等も有ったようだが、時間の都合で先を急いだ。
黒川記章展はなかなか楽しめた。その中でソニータワー大阪(2006年解体)コメント〜『中銀カプセルの構想をオフィスビルに(ショールーム)として展開した重要な作品であったが、取り壊され建築家大江匡氏が新計画をつくっていると聞いている。本気か!』〜固有名名指しのジョーク(マジ?)、中銀カプセルビルコメント〜『街角に文化遺産の保存』〜自らの文化遺産要望のジョーク(マジ?)が特に印象に残っている。


ソニータワー大阪1981年撮影  中銀カプセルタワー1981年撮影
政策研究大学院大学(2005年2月、設計:山下設計・リチャード ロジャース設計共同体)
13:26新設された公務員(行政職員)の為の独立した大学院のようだ。国立新美術館の真っ正面に有る。この様な風変わりで西洋的なポストモダン建築(死語かな?)が、黒川さんのモダニズム建築(これもまた死語ですかね?)の国立新美術館より先行して建設された。
いずれにせよ、ここからの眺める建物の対比は面白いものがある。
13:36東京ミッドタウン、外観はほぼ完成している。3月30日オープン予定で廻りは静かなもの。オープン時は賑やかで、またTV等マスコミも大騒ぎなんだろうね。
自称ミーハーの私も次回の東京見物は真っ先にここに向かう事だろう。その時までは少し落ち着いていると思う。
設計者等内容は昨年の森タワーからの工事中展望に記載している。

マスターアーキテクトは、SOM(スキッドモア・オーイングス・アンド・メリル)によるもので、シカゴ・ニューヨークのスカイスクレイパーの多くを手がけている組織設計事務所である。私とSOMとの建築の出会いは1982年、1ヶ月程のアメリカ周遊で、オーイングスの著書「環境としての建築(The spaces in between)」は、その後の「心の書」である。

US NAVAL REGIONAL MEDICAL CENTER通称・キャンプ桑江海軍病院(沖縄)1955年、設計SOM 1983年撮影
2007年、基地返却と共に解体される運命に有るらしい。20代沖縄で過ごした時に見慣れた、夕焼けで金色に光る美しいカーテンウォールの姿が見られなくなるのはとても寂しい事である。昨年北谷のビーチタワーホテルに宿泊した時に見た雄姿が見納めだったのかな。オーイングスは当時の沖縄米軍基地での仕事を、後々こう語っている。「土地の材料を使った土地の家を提案したが、軍からあっけなく却下された。残されたのは役にも立たない飛行場と兵舎やシェルターと、SOMの有能な若い有能なアソシエーターの訓練になった事くらいである。」と。

14:10六本木駅から東京メトロで御茶ノ水駅まで移動。聖橋口から降り、順天堂大学の横を通り抜けてJFA(日本サッカー協会)ハウスに有る、日本サッカーミュジアム(2002年W杯を記念してOPEN)に向かった。
目的は?勿論、大分トリニータがどの程度の評価を得ているか?だが、どのクラブも分け隔て無く同等に扱って頂いてた(^_^)。都会には無い、地方根性なんだろうね。

14:52入り口の脇に、昨年多発していた日本の中高生の自殺シンドロームに対しての、ロナウジーニョによるメッセージが飾られていた。
15:05湯島天満宮入り口。
さすがにお腹がすいたので、湯島の交差点近くで、そばと丼物の定食を注文。どうも東京のそばは薄い醤油味で、口に合わない。と言うか、ここがおいしくなかったのか?
15:35ソフィテル東京(1994年、設計:菊竹清訓)
上野不忍池のほとりに建つ、菊竹さんのメタポリズム思想が残る印象的な建物(ホテル)が、解体されるそうだ。まだ、10数年しか経過していないのに、とても残念な事である。1998年に解体された茅ヶ崎パシフィックホテルも地域のランドマークだった建物で、同様に印象的なものだった。



茅ヶ崎パシフィックホテル1981年撮影
東京国立博物館 法隆寺宝物館(1999年、設計:谷口吉生)
15:56
国立博物館場内に入場して一番左端奥に向かって行くとこの四角い建物が建っている。現代数寄屋建築とでも言うのだろうか?RCの壁、鉄骨の柱を薄く・細く仕立て、アルミルーバー(竪格子)で広いガラス面を覆い、和の雰囲気と、シンプルで軽く・スマートな美しさを表現している。中はそんなに広くなかったので所要時間はかからなかったが、正面の池をの前にあるベンチに腰掛け、梅の花を背に、30分ほど建物に見入っていた。
16:20しかし、何で上野に法隆寺の宝物館が?理由は見学してわかった事ではあるが、何故奈良に返却しないのだろう?今更かも知れないが。
16:27←国立東京博物館 平成館(1999年、設計:安井建築設計事務所・建設省営繕部)
16:28→国立東京博物館 表慶館(1909年、設計:片山東熊)


谷口吉生のお父さん谷口吉郎設計の東洋館・庭園と茶室は時間の都合でカットした。日が暮れるよー。東京は九州より1時間近く日暮れが早いからね。
16:28←国立東京博物館 本館(1937年、設計:渡辺 仁)


16:35→国際子ども図書館(2002年、設計:安藤忠雄・日建設計)帝国図書館→国立国会図書館上野支部(1906年)
中も見学したかったのだが、17:00で閉館で、見学日も決まっている模様である。大がかりなリノベーション建築で、正面ファサードは硝子貼り部分だけ新築。
東京芸術大学美術館本館(1999年、設計:六角鬼丈)
14:42
六角さんは現在東京芸術大学の美術学部長をしている。
六角さんの作品は金属質でこれでもかという装飾を施しているようなイメージが有るのだが、本拠地と言う事で遠慮があったのだろうか?思ったほどのインパクトは無かった。スマートな建物である。
16:41東京芸術大学美術学部
美術学部入り口手前の和瓦門から覗いてみたら、新しく明るいテラスが有った。そのミスマッチがとても素敵だった。

15:48→警視庁上野警察署動物園前派出所(1992年、設計:黒川哲郎)
最近はログのラーメン構造(スケルトンログ構法)のイメージが強い黒川さんだが、大分県にも大変馴染みが深い。うちの事務所からもカヌー倉庫「仙姿舞鶴」が見える。

当派出所は、黒川さんの出身大学で、現在教授職である東京芸術大学の庭?に有る事から、とても思い入れが深い物だと思われる。
16:57←国立西洋美術館(1959年、基本設計:ル・コルビジェ、実施設計:前川國男・吉坂隆正・坂倉準三)
今まで何度か来ているが、運悪く閉館日又は閉館時間。未だ中には入った事無い。しかし外から見ただけでは、建築の巨匠として思い描いているコルビジェっぽさを感じないのは私だけだろうか?

17:00↓東京文化会館館(1961年、設計:前川國男)
コルビジェ師匠には負けられないと言う思いが伝わってきそうである。環境・地形と一体化して、あまり主張しない作品が多い前川さんの作品の中では、最も主張し、力強さを感じる建物だと思う。私が好きな作品の一つ。
京都会館もこの時期の作品である。
本日はこれで終了。JRで上野から渋谷に戻る。コインロッカーに預けていた荷物を取り出し、明日の羽田の時間を確認して、ここで中野君と別れる。我々は、西大井の叔父の所へまっしぐら。お土産は手荷物にならぬよう、事前に佐賀関吉田会館からお魚宅配便で済ませているので心配はない。明日は子どもとお付き合いで、テレビ局巡り?になりそうです。
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