Business&Concept(設計事務所の業務)
 ここは、これから本気で建物の企画・新築・増改築・改装したい方々を中心に読んでもらい、
設計事務所の業務及び役割を少しでも理解していただけたらと、その想いをつづっているページです。

ここは、文書・文字ばかりです。興味ない方はとばして下さい。
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1.設計事務所の種類  通常、建築の設計事務所では、道路・橋の設計はしません。
 設計事務所とひとえに言っても、建築設計、土木設計、機械設計等いろいろな事務所あります。
その中で、中小の建築建築設計事務所は、主に
建築意匠設計(デザイン)、建築構造設計(構造計算)及び建築設備(電気、水道、空調)設計があり、それぞれ各分野で専門に特化し、別々に事務所を構えてます。
 通常、建築の設計のとっかかり(基本設計の段階)は、建築意匠設計(デザイン)事務所の役割であり、意匠設計が中心になってとりまとめ、(実施設計の段階で)構造及び設備設計事務所と共同作業で設計をこなしています。
同じ意匠系の設計事務所でも、タイプは下記の通り(私なりの分類ですが)有ります。参考にして下さい。
1.建築主と直接、設計監理契約し、業務を遂行する設計事務所。(形態的には、設計・施工の分離発注。)
 a.木造に強い設計事務所。           b.非木造(鉄筋・鉄骨等)に強い設計事務所。
 c.公共工事を中心とした設計事務所。    d.民間工事を主体とした設計事務所。
 e.住宅に強い設計事務所。           f.特定用途(病院・マンション・ホテル等)に強い設計事務所
 g.店舗設計等インテリア・内装工事に強い設計事務所  などなど。
2.発注者が工務店・ハウスメーカー中心の設計事務所。(形態的には、施工業者の設計・施工。)
 h.工務店、ハウスメーカーの担当者が打合せした図面を整理し、確認申請業務だけ行う設計事務所。
(この場合、仕様も決まっているので、施工業者さんの意志に応じて、出来るだけスピーディーに確認申請業務だけを行う。お施主さんの顔も見えないので、誰がやっても同じ家になる?)
 i .工務店、ハウスメーカーと同行し、企画立案するが、あくまでも下請的存在の設計事務所。
(的確なアドバイスと、一通りのプレゼンテーションは行うが、仕様・工事内容等、ほぼどこの施工業者さんも、オリジナルな決まったスタイルがあるので、余分なこと?(ここが難しい)は控えねばならない。多くとも3回程度の打合せでプランを決定し、施工業者さんの見積を行う。その時点で工事契約を結び、あとはhと同様、確認申請業務をスピーディーに行う。)
 j. 工務店、ハウスメーカーと共同で商品開発及び営業支援し、対等に営業展開する設計事務所。
(施工業者さんと持ちつ持たれつの関係で、餅は餅屋とお互い割り切って設計の内容は有る程度任せて頂くケース。設計分業している施工業者さんからのお施主さん紹介が多いが、逆に施工に対して必要以上に口出しはしない。仕事の内容もお互い信頼関係から成り立っている場合が多いので、相乗効果が有れば、よりよいパフォーマンスが引き出せる場合もある。最終的にはお互いお施主さんのことを考えての上でないと、この信頼関係は成り立たない。と、私は思っている。)
ちなみに、当社、アヴニール設計は、建築設計の分野で、建築意匠(デザイン)の設計事務所です。構造は何でもこなします。用途は住宅・店舗を中心に、結構、色々とやってきました。特にコストコントロールに心がけ、お施主さんの限られた予算から少しでもパフォーマンスに秀でたものを最終的に成果品として提供出来るよう、日夜努力しています。
2.設計事務所の認知  設計事務所は職能人の集団です。ただ?では設計できません(-_-;)。
 『設計事務所に設計を依頼すると余分に設計料がかかる?』『設計は、ただでします?』『設計事務所に安くさせるから?』業者さんのそのような言葉、本当に信用していますか?
 どんな建物でも設計は必ず伴います。ハウスメーカー(地場ハウスメーカを含む)・工務店の過半は、現実的に業務提携している設計事務所に設計だけをを外注する場合が多いのが現状です。改装工事・店装工事だって、必ず設計図を書いて予算をはじきます。見積書の中で、設計料という項目がでてこない場合は、必ず工事経費の中に設計料も含まれていると解釈して下さい。
 設計と言う作業は、職人と同じで、人件費です。時間がかかるほど費用は余分にかかります。安くするためには、その分手間を省くのが一番の方法です。しかし、少しでも後で後悔したくない建物を取得したいようであれば、設計の専門家(設計事務所)に依頼し、じっくりとシミュレーション・検討を繰り返して頂きたいものです。設計段階での大きな変更、やり直しがあっても、工事着工前であれば、着工後と比べて、費用的には全然違うのは歴然です。

 設計事務所は、病院とか、マンションとか、ホテルとか特殊なビルだけを設計してると思ってますか?
それ、違います。住宅だからこそ、店舗だからこそ、設計事務所と組む事を検討して頂けたらと、願います。品質の高いものをより安く取得出来るようお手伝いさせて頂きたいと思います。施工業者は施工のプロです。設計事務所は、企画・設計のプロデザイナーで有ると共に、企画力と専門知識を兼ね備えたプロデューサーです。設計・監理費用を別に考えず、建物取得に必要な全体予算の一部費用として考えて頂きたいと思います。
 設計事務所のプレゼンテーションは間取り図・外観図だけでなく、少しでも意図する内容を理解してもらえるように、いろんな表現手法(シミュレーション)を用いて説明致します。実績が不安であれば、完成している仕事を、実物や写真で見せてもらうのも良い方法だと思います。

少なくとも当社、アヴニール設計に相談いただければ、お役に立てる自信と実績はあります(^o^)。あとは相性と、デザインの好みと、信頼関係の度合いですね。出来るだけ気に入って頂けるよう努力します。(^_^)/
3.設計と設計監理  設計の始まりは、その建物がある限り長いおつきあいの始まりです。
 建築の設計とは、簡単に言えば、まず、建物の用途・目的にあったプランニング及びデザインのプレゼンテーションを作成し、シミュレーション検討(基本設計)する作業から始まります。その後、建築主の了解を得た段階から、確認申請・工事及び見積もりに必要な設計図面を作成(実施設計)することを言います。
 
設計監理とは、素人である施主の替わりに専門的立場で、現場が設計図書に記載されている通り、品質及び品格を保ち工事されているか?工程に問題はないか?工事の安全対策に抜かりはないか?などなど、各種検査機関の立ち会いを含め、施工業者を監視・指導することを言います。
 ほんの10年前までであれば、これだけでも設計事務所の業務として充分だったと思います。が、最近ではこれに、コストコントロール(設計予算だけでなく、工事全体予算の算出とそれに応じた工事発注に至までの調整業務)及び資金計画・税金等、コンサルタント業務に近い知識と技量が要求されています。
 設計とは、本来、監理業務があって初めて一貫した設計業務を全うできるものであり、切り離すことができないものと考えています。
設計段階ではどうしてもイメージしかつかめず、やも得なく決定できない様な事柄を、工事の過程に於いて(監理の段階)、最終決定する事もあります。場合によっては、工事工程に支障がない様、タイミングを見計らって事前に内容を説明をし、設計変更と言うことも有り得ます。
 事を起こしたいと思った瞬間。どうすればよいかの相談・企画から、竣工後のアフターメンテナンス(施工業者との2重構えで対応)まで。そして、また新しい企画。建築に関する用務員さんみたいな感覚で、いつでも、いつまでも、声をかけて頂いたら私共も幸せです。お施主様との『一期一会』を大切にしたいと、常に思ってます。
4.一級建築士  一級建築士は建築において、オールマイティーな資格です。が、
 足の裏の米粒・・・(とっても食えない)なんて、建築仲間では言いますが、役所への事務登録手続き上、設計事務所を営むには必要最小限の資格であるのは間違いないでしょう。勿論木造住宅専門の設計事務所であれば、2級又は木造建築士でも充分です。
 試験も年々難しくなり昨年は大分県で26名(平成13年)だったようです。大分で建築関係の学科がある高校は大分工業、鶴崎工業、日田林工、楊志館の4校。大学が大分大学、大分文理大学の2校。大分県内だけでも約350人を越える若者が建築関係専門の学校を卒業して、やはり、国家試験を目指していると思います。これに県外の大学・専門学校等に進学する若者も含めて考えたら、一級建築士も競争で考えると、結構狭き門になります。
登録免許税だって、医者・弁護士と同じく、一番納税額が高い国家資格です。
しかし、残念ながら、社会的地位はそこまで認めてもらってませ〜ん。なしか?
設計事務所の数が、多すぎるんでしょう。(工務店・ハウスメーカーも一級建築士事務所の看板をぶら下げています。)そして、競争が多い世界の為か、安売りする人も多い様です。
つぎに、設計事務所の一級建築士の数より、工務店・ゼネコンの一級建築士の数が圧倒的に多いからです。一級建築士とは、設計する人間に必要な資格であるにも関わらす、設計しない工事現場の人間(施工管理技師でOKでしょう。)の方がが多く持っているのも現実です。一級建築士の資格を持つ人で、設計に関与している人は現実20%もいないんじゃないでしょうか。再び、なしか?
もともとが、土建屋の親父から総理大臣になり、日本列島改造論で有名な亡き田中角栄(眞紀子元外相のお父さん)翁が第1号の一級建築士だからです。!?え。!だから、、、あまり深く考える必要もないのかも。。。しれない。。。結局何を言いたかったのか、、、?あれ?   結論です。
『設計事務所は、専業でこれを業としなければならない。工事をしてはいけない。』とか法律を作ればいいんです。これはジョーク。設計事務所の能力としては、一級の資格なんでどうでもいいんです。これは開き直り。現に資格なんて持ってなくても建築界で有名な建築家は、故・白井晟一と言う人を始め、いっぱいいるんです。
様は、実績(経験)と実力(設計能力)とセンス(デザイン力)とそれに見合った営業力をバネに、いかに社会に進出して、世間にその仕事に対する認知度を高めることができるか。だと思います。
過去の歴史もかいくぐり、少しでも『設計事務所と言う所の地位向上と業務に関わる認識』を皆様にアピールしていきたい。と思っている私です。
5.設計士と建築家  建築家(アーキテクト)ってなあに?設計士とは違うの?
 建築家・・・建築物の設計および工事の監督などを業とする人。建築師。(国語大辞典(新装版)小学館 1988) 建築物の設計・監理を職業とする人。(『広辞苑』岩波書店1998年)
 建築士・・・建築物の設計、工事監理などを行なう技術者として、国家試験に合格し、建設大臣の免許を受けた者。一級と二級と木造がある。(国語大辞典(新装版)小学館 1988) 建築士法所定の国家試験により免許を受け、設計・工事監理などの業務を行う技術者。建設大臣の免許を受ける一級建築士と、都道府県知事の免許を受ける二級建築士・木造建築士がある。(『広辞苑』岩波書店1998年)
とありますが、『設計士』と言う言語は国語辞典にも広辞苑にもありません。たぶん、『建築士』と言う言葉と間違えて、又は混同されて使われているんじゃないかと思います。それでは、『建築家』って何でしょう?
辞書だけで見ると、『建築士』と同じ意味だけど、ただ単に国家試験に合格しているか否かの違いの様です。
しかし、私の解釈(想い)は違います。

 建築家(Architectアーキテクト)は芸術家であり、建築士(Architectural Engineerアーキテクチュラル・エンジニア)は技術者です。つまり、人から認められて、又は功績があって初めて『建築家』と言う称号が授与されるものだと思ってます。画家・音楽家と言う言葉はどうでしょう。『自称』というのは一杯いるでしょうが、自他共に認められる『画家・音楽家』は、ほんのわずかじゃないかと思います。『建築家』ににおいても同様です。
 私は、単純ですが、【学校の建築史の教科書】に、作品が記載されるようになって初めて『建築家』なんじゃないかなって、昔から勝手に思いこんでいます。
読んで字の如く、確かに建築の設計してそれで収入を得ていれば立派に『建築家』だとは、思います。
しかし、『建築家』に対するこだわりは、単に私だけ!?のことかもしれませんが、、、どうでも構わないことかもしれませんが、、、やはり、いつまでこだわり続けたい事なんです。
 せっかく、建築の設計を目指してきた限りには、いつの日か、建築の歴史の教科書に載るような実績か、人々からの認知が得られるような作品を世に残せるよう頑張っていきたいと思ってます。そして、自他共に『建築家 伊藤 禎(ただし)』なんて、呼ばれたいですね。(ちょっと言うことが大げさかも知れなませんが。意気込みとして、忘れたくありません。)まあ、歴史の教科書に載らなくても(弱気になっている。)、自分で自分の事を『建築家』・・・『自称建築家』?と言えるようになるのは、それなりの実績を残し、地域社会への貢献度から推測すると、50歳近くになってからの事じゃないかなと思っています。『JIA・・・新日本建築家協会』と言う団体もあります。そのうち入会したいとおもってますが、それまではとてもとても、おこがましい事だと、私は思ってます。協会の活動内容はともかく、ただ単に、『建築家』と言う称号に対してだけのこだわりです。それまで、『設計士さん』じゃちょっといやだけど、『建築士さん』と言う称号で我慢しておきます。
企画・設計・現場監理等、知識及び技術面においては、中央(東京・大阪)の設計事務所にも負けず、劣らない建築士(Architectural Engineerアーキテクチュラル・エンジニア)としての力は充分にあると、自信は持ってます。
6.設計事務所と建築主(クライアント) 設計事務所は建築知識の請負人です。
お金を頂いているから雇われている。雇われている以上、色々な意味で、最終的に、クライアントに何らかの利益をもたらす事ができる様、努力しなければならない。(コンサルタント業務)と心得ています。
クライアントは我々に何を期待するのか、その人その人によってその優先順位・内容が違います。話の過程、早期にそれを聞き出し、把握することがとても大事な事だと思ってます。
色々な意味・・・とは。。。下記の期待に応えること。です。
a.コスト・予算的なもので、わざわざ設計事務所に頼むんだから、同じ仕様でも工事費を安く。と言う期待。
b.デザイン・センスに関するもので、建築主の気持ちにあった、個性的で洗練されたデザインであろう期待。
c.各物件・各用途それぞれに関して、建築の専門家としての知識・技術力に対する使命的期待。
d.物件に関する提案から、具体的企画・収支計画に至るまでの知識と技量に対する創造的期待
e工事に関する性能・品質確保等、専門知識に乏しい建築主に代わって行う監理業務に対する期待。
f.日頃のアフターメンテナンス、実績又はお付き合いに対しての信用・信頼から生まれる継続性の期待。
などなど。それこそ上記以外の期待も充分考えられます。
とにかく、建物が建つまでは、色々なことがあるので、できるだけあらゆる期待に添えられるよう、建築以外の専門分野の勉強も、広く浅く、趣味と実益を兼ねて、常にこつこつと勉強の毎日です。
建築設計事務所は、個人的には、ミーハーでないといけないと思ってます。新しいものが発売されたらまず、実物を見て、研究して、タイミングを見て、金があれば購入!!流行っていることを聞けば、すぐに見に行って、金があれば購入!!だから、いつも貧乏してます(^_^;)。
7.設計事務所とハウスビルダーたち 決して、水と油の関係ではありません。
あまり近からず、遠からずと言うんですか?常に、ある程度距離は保っています。
それぞれ立場も違うし、会社としての目的も違うし。。。ただ、少なくとも
『顧客に喜ばれる、いい家を造る。』と言う目的だけは共通のものだと信じたいですね。『請け負った金を少しでも多く残すこと』ばかり考えずに。。。企業として考えればこれも決して悪いことではないのですが、まずは、建築主中心で、その結果得られる対価として、とらえて頂きたいです。以前、有る地場のハウスメーカーの営業に、「自社で自宅を建てたいと思いますか?」との問いかけに、「まさか。余分な経費を考えたら、他で考えます。」との答えが返ってきました。また、有る建設会社の役員との会話で、「建築主からの特命を頂くために、営業努力をしています。」これまでは良かったのですがそのあとに、「厳しい時期、特命して頂けた方が、粗利が大きいですからね。」と、続きました。どうとらえたらよいのか?とにかくその時の私には理解出来なかった感覚を覚えています。
私も今まで手がけてきた物件の相見積等で得たことですが、新築物件の
建設費全体に関わる経費率ですが、一般の工務店に於いて15%程度、地場ハウスメーカーに於いては25%程度が限界の様です。勿論、物件の規模・内容(規模が小さい程・内容が複雑な程当然経費はUPします。)、施工会社の規模・内容(大手である程当然、本社経費・安全対策費等、経費はUPします。)、設計・施工(+設計経費)でする場合、工事のタイミング(空き具合・決算前等のタイミング)でも変わってきますが、経費は会社の運営として必ず必要なものです。あとは、他社より如何にして質を落とさず、安い価格で仕入れすることが出来るのか(仕入れ原価・・・実行予算と呼んでいます)が、会社の力(信用力・年間取引量)と企業努力(流通ルート等)で全体建設費が変わってきます。
アヴニール設計の見積書チェック方法は、設計段階から自社独自ではじき出した実行予算との照らし合わせです。
(ちょっとここでコストコントロールのノウハウを公開します。)つまり、経費に関しては、上述した通り、各社まちまちですので、最初に「今回は経費は何%必要ですか?」と尋ね、とりあえずその分は据え置いて上述した実行予算だけをとことん詰めていきます。その段階で数社を絞り込み、最終ネゴシエーションします。「御社の下請けさん、商社さんがこの数字で出来ないようであれば、こちらから紹介しても良いですよ。」という感じです。その時はさすがに業者さんからも本音が漏れてきます。最終的にその実行予算に必要経費を加えての契約になりますので、業者さんからの不満は一度もありません。かえってお互いの信頼関係が出来上がる場合の方が多いと言えるでしょう。ネゴシエイションするための材料・根拠さえあれば、業者さんも必ず納得して、安心して工事が出来るものです。不思議と高い見積書を提出してくる業者さんの方がつっこみどころも多く、最終的に契約に至る場合が多々あります。下請け関係・商社さんとの関係もマンネリ化している業者さんからは、本工事が契約に至らなくとも、他の物件にも反映出来、かえって有り難く思われる場合もあります。反面、当社に於いても、「ここ安いですね。紹介して下さい。」というパターンも有ります。しかし、見積書がただ安いところの組み合わせにはならぬよう、信用面・技術面もじっくり検討・考慮して選定しています。
8.一通のメール 我が家を造ること。どこに依頼すればよいのかわからない人多いんですね。
ホームページ開設一年目の事です。このようなメールが舞い込んできました。
----- Original Message -----
From: 房◯ ◯子
Sent: Saturday, December 21, 2002 6:11 PM
Subject: はじめまして
突然のメールで失礼いたします。来年、新築で家を建てる予定があるのですが、その件で少しご相談です。
土地は、義母の土地で、現在古い建物が建っておりそれは取り壊す予定です。親戚筋が大工(工務店?)をやっているらしく、建てることに関してはそちらにまかせるそうなのですが、周りの家の状況上、非常に日当たりが悪くなることが予想されていて、採光にお詳しい事務所に設計を依頼しようと考えております。
そのような設計のみの依頼などでもよろしいのでしょうか?私と義母が中心となって話しを進めているのですが、双方とも「建築士」と「設計士」の区別がよくわからず、また、どこまで依頼できるのかなども理解しておりませんので、なかなか前に進まない状況です。
土地は5060坪くらいかと思います。建物の予算が1200万くらいを予定しております。
サイトをくまなく見せていただいて、デザインにとても惹かれました。何を質問してよいのかもよくわかってないのですが、おひまな時間がありましたらご回答くださると助かります。
それでは突然、失礼いたしました。
房◯ ◯子
TO 房◯ ◯子様
ホームページを見て、メールまでいただいて誠にありがとうございます。
---------前省略-------。
さて、本題に入ります。
まず、住宅の建設を、どこに依頼するかです。具体的に、工事をどこがするか、とかでなく、全体計画の中心になるのをどこにするかです。つまり、誰を信頼して家を建てるかです。勿論自分で何もかも出来るわけでは有りませんので、誰かに依頼・委託しなければなりません。大きなお金を使って行う一大事業です。神経を使うのも当然と思いますが、楽しくやりたいものです。
まず、豊富な知識・経験で、初めの一歩から、任せられる人を選択した方が無難です。その人を中心に、設計・工事・費用の相談等進めた方が一番うまくいくと思います。房◯さんを中心に、親子間、夫婦間、そして各業者間において、専門的立場に立って上手に事を運んでいけるような調整役が必要です。家族構成は勿論、趣味嗜好。有る程度の一家の収入に至まで、家族の将来計画に必要なことも伺う場合も有ります。(勿論、言いたくないことは話す必要有りません。)家を建てることは、ただ単に住宅を建設するだけに終わらないと思ってます。色々なドラマも一杯含んでいます。三谷幸喜監督そして、唐沢寿明主演の『みんなのいえ』見ましたか?映画だからちょっと変な所有りますが、まさにあんな感じです。
設計事務所の経験・立場で言わせていただくと、まずは、設計が中心になった方が一番うまくいくと思います。工事着工してからは、施主・施工・設計、それぞれの立場を尊重し合い、三位一体となって進めていくのが理想です。家を建設するに当たって、何から始まるかと言えば、計画(=設計=企画)です。計画(=設計=プラン)の善し悪し又はその企画力で全てが決まると言っても過言じゃありません。建ててしまった後に後悔しても始まりません。建てる前(企画段階で)にシミュレーションしていき、建て主である房◯さんの理解が必要です。限られた予算で、できるだけ機能的で住み心地が良く、かつ見栄えも良い我が家を手に入れたい。その基本となるのが設計だと思います。そして、その設計は工事が完了するまで続きます。(勿論、工事完了後、アフターケアも、施工業者と2段構えで考えて下さって結構です。金はなくともアドバイスはできます。)それを、設計監理(管理と違いますよ。)と言います。
1.施主に替わり、プロの目で、設計図面通り、品質を保つためのアドバイス。
2.色・柄・家具調度品に至るまでのコーディネート。
3.設計変更への対応及び建設業者との仲立ち。
4.各種役所検査の立ち会い。
が、主な内容です。
設計図面と監理さえしっかりしていれば、どこの建設業者が建設しても、出来る物はおなじです。あとは、大工の腕による違いにかかってきます。これは設計監理の段階で見極め、注意して指導していくしかないですね。
最後に設計士と建築士の違いを述べたいと思います。
単に発注形態の違いから来るものじゃないかと思います。主に工務店・ハウスメーカー等の下請けをこなしている建築士をハウスビルダーさん達がこのように呼んでいるのを良く聞きます。言われた事、指示されたことを、誠実に対処し、技術的に確認申請が取れるまで図面を作成する事を主な仕事としています。(明確な規定は有りません。私がそう思うだけです。)その場合、デザイン的にはビルダーからの型にはまったものを提案し、確認申請業務と言うことにに割り切って、出来るだけ時間をかけず、数で勝負します。(ハウスビルダーさんに連れて来られた場合、その立場もあり、あまり出しゃばったことは出来ないものです。)
これに対して、建築士は主に、お施主様から直に仕事を受け(元請け)、豊富な知識とデザイン力で、思いを込めてプレゼンテーションとシミュレーションを繰り返し、細部に至るまでの仕様をコストコントロールをしながら図面作成していきます。その図面を元に、ハウスビルダーを入札や合い見積もりで選定し、監理に於いては建設・施工業者を指導し、品質や工程管理をしながら設計通り出来上がる家を見守っていきます。時には税金の相談から、銀行借り入れの経常収支計画に至までのコンサルタント業務もこなします。お施主様の考え・希望を的確に判断し、責任をより明確に意識しながら仕事を行い、助言していきます。(言語録から言えば、建築士とは1級とか、2級とか単に資格を取得している人の事を言います。)
できてみなければわからないと言うのが一番不安だと思います。我々は、それを、事前に理解していただけるよう、あらゆる手法を駆使し、徐々に説明していきます。
これで、質問に対する答えになっているでしょうか?最初から堅い話で申し訳なかったと思いますが、今度メールを頂けたら、もうちょっと砕けた話から始めたいですね。またのご連絡をお待ちしています。
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(有)アヴニール設計    伊藤 禎(ただし)
〒870-0938 大分市今津留1丁目10番5号
Tel. 097-556-6780 Fax. 097-556-4546
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9.近況2002 特色有る特異な設計事務所をめざして。直営工事もいいんじゃない?
 今までの設計・監理業務だけではなく、このところ、リフォーム・店装・外構等の直営工事も多く手がける様になりました。設計事務所だからできる、デザイン・機能・材料知識及び耐久性などなど、深いところまで意識して行う作業は、工務店・店装屋さんのそれとはひと味もふた味も違ってきます。同じ手間暇をかけるようであれば、工事までやってしまえと言う感覚から始まりました。クライアントの満足度もよりハイレベルな成果品を提供出来るよう、頑張っている最中です。勿論、限られた予算に合わせてのことですよ。
 工事の段取り、材料商社・下請けさんとのコミュニケーションは、設計業務とは全く特異の分野ですが、今のところうまくいっているので、現場に出向く回数も多く、ちょっときついですが、設計からの手造り感覚が、より増してくるので、結構楽しんでやっています。金額・収まり・材料に対する意見等、職人さん・商社さんからの生の声が聞けるのも本業の設計業務に対して、今まで以上に相乗効果が出てきました。図面終了時の建設業者入札・合い見積もりの場面において、当社で直営工事もしているので、間違いのないコストコントロールが効き、本音のコスト指導(仕入れ指導)等、他の設計事務所にはないこれまた特異な設計事務所として、私と関わったほとんどの施工業者さんには認められつつあります。(多くは儲けさせてくれないが、決して損はさせない??)その反面、物件単位の仕事の量も増え、一物件にとられる時間が長くなり、設計料の採算面できついと言う悩みもあわせて抱えてしまいました(聞き流してくださいx^^;x)。とにかく、今のこの時期、仕事ができることが有りがたいと思って、日夜励んでいます。〜〜2002年某日。
10.私の建築コンセプト 施主・設計・施工の調和がとれた建築。
 設計事務所がお施主様のイメージ・規模・予算など要望を聞き、そのイメージに沿いながら具体的に建物全体像(外観・機能)を考え、デザインしていくことは当然の事です。間取りを組み立て、コストコントロールしながら工法・材料・仕様等も有る程度考慮しつつ、建物全体をプロデュースしていく必要が有ります。ただ、「デザイン」は、人それぞれの感性・嗜好も千差万別な故、難しい部分で有り、夫婦・親子が加わればなおさらのことです。外観に関しては、ありきたりのデザインじゃ物足りない人もいるし、あまり個性的では困る(普通の家が好き)と言う人もいます。外観にはこだわらないけど、機能(動線・間取り・空間構成・材料(健康材料・仕上げ材料・耐久材料)・各種設備(オール電化・床暖房・ソーラー・他住宅設備)・バリアフリー・防犯(セキュリティー)・防災(耐震・地盤・構造)熱効率(断熱仕様・断熱サッシ・通気工法)・・・などなど・・・思いついただけ・・・)だけはじっくり検討したい。と言う人もいます。家造りに対する思いも十人十色ですが、出来上がる建物はただ一つです。その時の資金力・生活環境など、計画に大きく左右されるような事情も多々有ることでしょう。つまり、デザインだけではなく、どの部分にこだわりを持つかと言うことを優先的に決め、整理していくことが大切になってきます。提出するプレゼンテーションを一発で気に入って頂き、そのまま先に進めるようであればそれに越したことはないですが、アヴニール設計では、これらを一つ一つ整理し、シミュレーションを繰り返し、お手伝いすることに関しては、何ら時間を惜しみません。慌てず、じっくりと検討しながら、少しでも夢の実現に近づけるよう精一杯アドバイス致しますし、一緒に家造りをする楽しみを味わっていきましょう。
 設計事務所によっても建築デザインの考え方・手法はまちまちです。ただ、大きく分けて下記の2通りのパターンがあるように思えます。
外観のイメージデザインから入って、間取り・機能を当てはめるパターン。
間取り・機能を優先に考えて、あとからデザインを肉付けしていくパターン。

です。世界的に有名な建築の2大巨匠をこれに当てはめると、前者が
ル・コルビジェで、後者がフランク・ロイド・ライトだと思います。雑誌等に出てくる多くの建築家は、前者のパターンで考える方の方が多いようですが、アヴニール設計はどうも後者のパターンで考えることの方が多いですが、場合によって使い分けています。どちらもそれはそれで大切なことだとは思いますが、芸術家?に依頼する様な感覚で、特に外観だけにはこだわりたいお施主様であれば、前者の考え方がよいのかも知れませんね(^_^;)。
 単に間取りを考えて、屋根の形・外壁やサッシの種類及び材質・装飾・色を変えたりする事がデザインではありません。施主又は設計の個性・感性から生じるオリジナルなデザイン。使用者の動線・内部機能面から生じる空間デザイン。建物周囲環境・法的規制など、外的要因から生じるデザイン。そして、これらデザインを忠実に再現する技術を持ち合わせた施工。どんなに立派な施主でも、どんなに良い設計でも、どんなに素晴らしい施工でも、それぞれの心がバラバラであれば、心身共に健康な建物は生まれないことでしょう。

 
それらが三位一体となって初めて美しい建築デザインの完成であり、建物も生きてくると思っています。施主・設計・施工が一体となり、調和のとれた共通の思いで建物の完成を目指す事。施・設・施の良い・善い・酔い(せっ・せっ・せっのよいよいよい)と、勝手にいつも心の中で思っています。
11.構造計算書(耐震強度)偽造事件 いったい誰が一番悪いのでしょう?
 久しぶりのここへの書き込みです。2年3年前の書き込みも、多少恥ずかしくなるような部分もありますが、それはそれで、その時の思いの記録として、あえてそのまま残しておきたいと思います。
 さて。2005年、最大の社会事件の様相を見せている、一級建築士設計事務所による「構造(耐震)計算書偽造事件」。同じ建築設計技術者として、「まさか」と言う思いで、強い怒りと悲しみを感じています。今回の事件が氷山の一角ではない事を望み、二度と有ってはならないことだと認識しています。犯罪者である構造設計者には、どんな状況であろうと、
モラルを守り、断る勇気を持ってもらいたかったですね。故意とは、計画的殺人と何ら変わらない行為です。地震が頻繁に発生している現在、消費者からも耐震設計・耐震構造が要求されているにもかかわらず、後々どういう事になるのか?容易に判断出来たはずです。
建築設計の分業化が当たり前になっている今、当社も構造計算に関しては、今日まで20数年来お付き合いして頂いて、信頼関係のおけるパートナーである、有限会社ケイシン設計の山本伸二さんにお願いしています。ケイシンの山本さんは、日本建築構造技術者協会(JSCA)にも所属し、耐震診断も公共建築を中心に、数多くの実績がある方です。木造に関しては、ほぼ当社だけでも耐震診断・耐震設計は、まかなっていけますが、鉄骨造・RC造等、構造計算も見直して復旧する物件に関しては、やはり、山本さんの力が必要になってきます。とは言え、
意匠設計者(当事務所)は構造計算までしないにしても、有る程度の構造に関しての知識は必要だと思っています。当然、それなりのスキルは講習会・専門雑誌等で磨かねばなりません。そういう意識は常に持っていたいと思っています。
 今後どの様な展開に発達していくのか?とにかく、審査検査機関も含めて、確認業務の制度の見直し、建築士の意識の改革と認識の向上が不可欠だと思います。国土交通省からは勿論、日本建築士会連合会・日本建築士事務所協会・新日本建築家協会等団体からも、早々、今後の対策・指針が出てきています。
ちなみに、上記一級建築設計事務所の構造設計者はどの団体にも属していなかったようです。
12.CPD制度と専攻建築士(H22年改訂) 建築士が専攻領域として区分された専門家としての表示制度
 日本建築士会連合会による専攻建築士制度とCPD制度の概要を下記に抜粋します。2010年
 「専攻建築士」 は、「建築の専門家の証」。「CPD制度」は、「努力して いる建築士の証」。これらの建築士を「建築士会と連合会」が社会・消費者へ明示することで「信頼できる建築士」を応援する制度です。建築士会では継続能力開発制度をCPD(Continuing Professional Development)制度とよぶ。CPD制度は、建築士会が建築士の実務と研修の実績を記録・証明し、社会に示す制度です。建築士の能力開発を「実務による能力開発」と「研修による能力開発」の2つで構成しています。
 CPD制度のオープン化
 平成21年1月5日施行の改正建築士法第22条の4の規定によりすべての建築士に対する研修を行うことが建築士会に義務付けられたことを受け、従来から行ってきましたCPD制度を大幅に改め、オープン化して非会員の方たちにも広く門戸を開くようになりました。
 アヴニール設計もCPD制度には積極的に参加しています。
 アヴニール設計の術職員は皆、建築士会に入会して、自己研鑽を目的に、積極的に建築士会主催の講習会や研修会に積極的に参加するよう努めています。勿論強制ではなく、自ら興味を持って意欲的に参加しているようです。私も有名建築家の話を聞いたり、新しい制度・情報を得るのは好きで、比較的参加している方ではないかと思います。
 平成17年、最初の専攻建築士登録から5年経過し、平成22年更新しました。ちなみに私の専攻領域は「設計」専門分野表示は、戸建住宅、集合住宅、商業施設の従来の登録から、「生産」専門分野表示は、建築施工管理、CM、改修・リフォームの専攻領域登録を新たに追加しています。
専攻建築士の認定・登録には、CPDの参加から、一定の専攻分野に関する実務経験と、数年に渡る毎年の研修履歴が必要になります。
(社)日本建築士会連合会のhttp://www.kenchiku-cpd.jp/senkou/search/search_0.htmに登録された専攻建築士の検索が出来ます。
建築士法は、本来、実務として設計・工事監理業務等を行う者に対しての法律であり、建築士とは、設計・工事監理等の業務を行う者を言うはずです。しかし、実態として、建築士の有資格者の内、その業務に携わっている者は20%程度、専業の設計事務所に席を置く者は、10%に満たないのじゃないかと思われます。専攻建築士制度は、消費者(施主・クライアント)が、設計事務所に、建築の設計・管理業務を委託する際の目安になるものと同時に、安心感を与えるものに成長することを期待したいですね。建築士の資格を取得すればそれで良い(安心)のではなく、時代時代に応じて、より有意義な知識を吸収し、広い視野で物事を判断できる能力を身につけていかねばならないものと常々思っています。何時の時代もそうでしょうが、20代、30代の若い世代の感性・想像力には目を見張るものがあり、中には天性のものもあるでしょうが、その才能を伸ばし、如何に実務に対応させていくか、日々の努力の賜であるのは間違いありません。大げさに言うと、生涯の目標として、技術屋で終わるのか?建築家で終わるのか?経営者で終わるのか?いずれにしても終点のない目標に向かって修行を重ね、前進するのみです。
13.住宅の設計料(H22年改訂) 設計料は、設計事務所によって独自に算定基準を設けています。
  H21年、30年ぶりに業務報酬基準の変更が示され、国土交通省告示第1206号は廃止され、新たに告示第15号として生まれ変わりました。今まで工事費によって業務量を略算していたものから、延べ床面積に対しての業務標準時間に変更されています。つまり、標準より手間暇かかるほど設計料は高くなるという当然の理屈で業務加算され、単に材料等グレードのアップダウンによる工事金額の変動があっても設計料はそれに追従して変動しないという、今日まで矛盾していた部分か改善されたという事です。あくまでもその内容と規模による手間代という考え方で、金額的に標準的な内容での設計料は、今までの考え方とそう変わりはありません。
ちなみに、
125uの木造の住宅新築の場合でその計算を行ってみましょう。(詳しい説明は省きます)
1.まず算定根拠を求めます。
◇略算表・戸建て住宅(詳細設計を必要とするもの)別表第14(単位 人・時間)
床面積の合計 100u 150u 200u 300u
(一)設計 総合 350 490 610 850
構造 81 97 110 130
設備 110 130 140 150
(二)工事監理等 総合 180 240 290 390
構造 30 48 66 100
設備 38 49 59 77
左の表より125uの場合の標準業務量
設計:総合 350+(490-350)×25/50=420
設計:構造 81+(97-81)×25/50=89
設計:設備 110+(130-110)×25/50=120   
設計:総合 180+(240-180)×25/50=210
設計:構造 30+(48-30)×25/50=39
設計:設備 38+(49-38)×25/50=44     
        合    計




設計合計:629人・時間


監理合計:293人・時間
設計監理:922人・時間
◇国土交通省 平成21年度設計業務委託等技術者単価(人件費)
◇業務報酬の算定
技術者の職種 基準日額(円) 時間額(1/8)(円) 採用単価
主任技術者 55,800 6,975 -
理事・技師長 52,400 6,550 -
主任技師 47,100 5,888 -
技師(A) 39,300 4,913 -
技師(B) 31,300 3,913 -
技師(C) 26,200 3,275
技術員 22,400 2,800 -
任意設定 16,000 2,000
a.直接人件費
〔標準業務量+追加的な業務量(オプション業務)〕×人件費単価
b.直接経費+間接経費の合計額(=a.直接人件費)告示第四より


@a+b=a×2←bをa×0%〜100%で任意設定
    +
A.特別経費(出張料等)
    +
B技術料等経費(@×20%)
←20%を@×0%〜20%で任意設定

業務報酬=@+A+B
2.上記根拠を踏まえ、規定に応じた業務報酬算定します。(規定報酬と言います。)
922(人・時間)×3,275(円・時間)×2(経費)}×1.2(技術料)≒725万円
人件費を半分で考えたとしても、約360万円と言う事になります。
正直言って現実にそぐわない、とんでもない金額になってしまいます。こんなには頂けません(^_^;)
3.当社では上記根拠を踏まえ、実績に応じ、独自に任意設定し、算定しています。
922(人・時間)×2,000(円・時間)×1.10(経費)}×1.00(技術料)≒202万円-値引き2万=200万円(税別)
と、言うところでしょうか?
しかし、この金額はお施主様との面談内容(依頼度)、建築・土地の条件で、前後します。
 大分県の設計事務所の場合、上記の規定報酬通りの設計料を提示する設計事務所はまず無い
のではないかと思われます。大分県の一般の設計事務所では、大都市と比べ消費者物価指数の違いもあるでしょうが、業務報酬基準通りの設計料で計算すると相対的に高くなり、お施主様に負担をかけてしまう結果になると言う事です。旧告示第1206号又は告示第15号を基準としながらも、各事務所おのおのの実績により、独自に計算しているところが多いようです。規模が小さくとも手間暇とお金をかける人もいますし、規模が大きくとも手間暇かけず費用を抑える人もいることでしょう。業務報酬基準はあくまでも参考基準として考えています。アヴニール設計は、有る程度話を伺った上で、見積書をお渡しし、説明致します。最初に「設計料はいくらくらいかかりますか?」と聞かれた場合には、「標準的な1500〜2,000万(35〜40坪程度)の住宅でだいたい150万〜200万程度で、業務内容・立地条件に依って変わってきます。」RCや鉄骨造、3階建て等で構造計算が別途必要な場合は「20万〜30万を別に見込んで下さい。」
と、答えるようにしています。そして、前述したようなことを説明すればだいたい理解して頂けます。
 ハウスメーカーさん又はビルダーさん(工務店)の下での設計作業は基本的に金銭的な事には口出しせず、工事監理も検査前のチェックと検査立ち会いだけで、必要以上に口出ししない場合がほとんどです。作業内容確認の上、設計金額の取り決めをします。コスト・工法・材料等のアドバイス・コンサルタントをする場合は別途費用を頂く場合もありますし、紹介でお施主様と設計業務委託契約を結ばせて頂く場合もあります。
 次に、
どの時点から設計料がかかってくるかと言うことですが、最初からかかる場合もありますし、基本設計終了直後、実施設計に取りかかった時からかかる場合もあります。費用が発生する場合は、費用が発生してきそうな時は、事前にお話し致しますので、心配しないで下さい。基本的には、よっぽど事情がない限り、皆さん設計依頼することは、「家を建てよう」と言う目的でお話しを進めていくことですから、万が一、基本設計の段階で計画倒れになったとしても、費用は頂かないようにしています。
 設計料は、工事費のコスト管理(コストコントロール)で、必ず還元できる自信がありますし、それ以上の期待を持っていただいて結構です。日頃から金銭トラブルがないよう、正確で詳細な、責任もって実際に施工できる金額内容で、しかも絞り込んだ設計見積を自社で作成している当社としては、万が一の時(施工業者が予算に到達出来ない時など)、自社で請け負う(1,500万円未満の建築一式工事又は150u未満の木造住宅)か、CM方式の工事(施主による分離発注直営工事で、規模は問わない)でこなす覚悟(危機感)と自信を持っています。標準的な工務店よりはしっかりした施工管理を熟知してますし、実績も有ります。しかし、施工業者さんに工事して頂くのが、精神的にも楽だし、そうであってもらいたいと、いつも願っています。施工業者さんが設計図面を元に、きちっとした施工をこなし、適正な利益を得る事は当然の事です。予算はあくまでも全体予算でしょうから、設計料は別にという考えではなく、トータル(全体費用)で考えて下さい。
 このような設計方針によって、利益優先の施工業者さんからは多少煙たがられると事もありますが、お施主様と金銭的にも誠実に対応している施工業者さんからは、重宝がられ、VE案(ValueEngineering品質を落とさない変更案)を一緒に考えながら、設計業務は任され、タッグを組む場合も良くあります。
14.震災後のボランティアと実務応急危険度判定士と震災建築物被災度区分判定・復旧技術者。
 先日(2006年2月)、建材商社の総合展示会で、新潟県中越地震と、神戸震災をシミュレーション体験してきました。上下左右自在に揺れる体感は、胃に悪い・心臓に悪い・内蔵がバラバラになりそうな、悪路をつっ走るバス(とてもそんなもんじゃないでしょうが。)のような、すざましいものがありました。あんなもの絶対に体験したくないですね。本当。
 ところで、
応急危険度判定士と言う言葉聞いたこと有りますか?大地震発生後の様々な応急対策の一つとして、被災した建築物を調査し、その後のその建物の危険度を判定し、「調査済」「要注意」「危険」などの判定ステッカーを貼っていきます。その行為を応急危険度判定と言い、民間の建築士が、ボランティアで行政職員と共に対応していきます。参加する建築士は、応急危険度判定に関する講習を受講し、「応急危険度判定士」として、都道府県に登録します。日本建築防災協会と各都道府県が窓口になっています。 そして、震災建築物被災度区分判定・復旧技術者と言う、長ったらしい名前ですが、上記応急危険度判定の後、業務として震災建物の被災度区分をその基準と照らし合わせ判定し、復旧技術指針に準じて応急措置をしながら、復旧・補修・補強(耐震補強)の計画を立て、継続使用・恒久使用できるまでの対策を講じた設計・監理をします。日本建築防災協会と日本建築士事務所協会が共催する講習会を受講して、技術者として登録されます。
 これらは、震災に限らず、古民家の改修、昭和56年(1981年)以前に建築された、万が一の震災に備えての構造耐震補強にも通じる必要かつ大切な内容です。(昭和55年に、耐震構造基準が現行法規に変わっています。)新築に限らず、増築・改造の構造計画は、全て構造屋さん・工事屋さん任せと言う訳にはいきません。意匠設計者も有る程度の知識と耐震設計の流れも知っておく必要はあります。上記業務に伴う構造計算は構造設計事務所に依頼し、共同作業になります。
15.外壁に使用する材料設計段階では予算取りです。これで決定ではありません。
 最近、プレゼンテーションで内容説明をする時、外装材料の種類・金額をよく聞かれます。屋根は、粘土瓦・セメント瓦・板金葺き・スレート葺き等、比較的認識が高いのですが、外壁材料については、サイディング?聞いた事はあるけれど、どういう物なんですか?と、言う具合に、認識が低いようです。今回は外壁材料について、述べていきたいと思います。まず、サイディングですが、辞書では《建物の外壁に使用する、耐水・耐天候性に富む板。下見板。》とあります。現在出回っていて、通常サイディングと言う呼称で呼ばれているほとんどの材料は、セメント系で造られた物ですが、メーカーによって製造方法・材質も等も違うので、ここでは省略したいと思います。住宅の仕上げ材料は、実際、目で見て、さわって、説明を聞き、内容・質感を確認しないと、実際の所わからないですよね。住宅用建材・住宅設備なども同じです。メーカーによってグレード・品質が変わってくるのも、車・パソコン・電化製品と同じです。設計のの内容は、あくまでも予算取りと考えて下さい。これで決定ではありません。外壁の材料も、ぴんからきりまで有ります。安いからそれが悪い材料だという訳では決してありません。それぞれの特性を設計段階で、説明致しますので、自分の好み優先で考えれば良いと思います。グレードは一般的に高い順から並べると、下記の通りですが、それらも、設計段階で、金額調整して、材質グレードを決定していけばよいと考えています。色、質感等は、工事の段階でも充分間に合います。
1.サイディングの上に、タイル張り又は石張り。10000円/u〜(タイル等を引っかけて施工する、専用のサイディングが有りますし、そのグレードもあります。)
2.ラムダサイディング7500円/u〜(私の一番のお薦めですが、品質がよい分、ちょっと値段が高いです。)
3.サイディング又はALCの表面に塗装等吹き付け。6000円/u〜(サイディングの種類にもグレードがありますし、塗装にも種類グレードがあります。)
4.デザインサイディング6000円/u〜(ハウスメーカー等で使用されているグレードが比較的高いもの。)
5.デザインサイディング5000円/u〜(ハウスメーカー等で使用されているグレードが普通のもの。)
6.デザインALC5000円/u〜(住宅では厚み50m/mのものです。)
7.金属サイディング4000円/u〜(防火構造の場合の複合金額。角波鉄板等で、カラー鉄板・ガルバニウム鋼鈑・ステンレス鋼鈑等、グレードがあります。ローコストと言えば倉庫等で採用されている角波鉄板を思い浮かべますが、材質によってはそれ限りではありません。)
上記、鉄骨3階建て・木造3階建て住宅で許せる範囲の仕上げです。その他下記のような物もあります。
8.デザインサイディング(ハウスメーカー等で使用されているグレードが低いもの。厚み12m/mの物は、一部を除いてあまりお勧めしません。)
9.天然木板化粧張り(質的には大変好きですが、メンテナンスがかかるし、準防火地域では無理です。)
10.無石綿スレート板張り(耐久性を考えると?)
11.ラスモルタル塗りの上、塗装等吹き付け。(木造で有れば、ノンクラック保証が付いた品質的によい物もあるのでお勧めしたいのですが。)
勿論、1よりグレードが高いものも有りますが、通常、
鉄筋コンクリート造を除く住宅ではこんなものだと思います。(金額は2006年現在の目安で、建物の構造・形状・数量によって、変わってきます。)ALC又はサイディングの有力メーカのURLを、参考にご覧下さい。
ラムダサイディング〜昭和電工建材http://www.sdk.co.jp/lambda/contents/index.html
サイディング〜ニチハhttp://www5.mediagalaxy.co.jp/nichiha/index.html
旭トステム外装http://www.asahitostem.co.jp/
ALC〜旭化成建材ヘーベルライトhttp://www.asahikasei-kenzai.com/akk/hl/index.htm
16.「私の夢」魔法の家のお手伝い。家族の幸せを運ぶ家。
 5年前(2002年9月)父から兄へ引き継がれた税理士事務所の異業種交流会「共栄会」も30周年を迎えるそうです。それを記念して会員を対象に本を出版するという事で、「私の夢」を題材にした文書を323文字で記入するよう言われました。最初は『湾曲したガラスファサードを持つ大分県立‘新’美術館を設計して、建築を熱く語り世間の評価を得る。その後、大分県知事選に出馬。。。』なんて冗談で書こうと思いましたが、あえなく落選。そこで、永遠の課題であり、ささやかな夢ではありますが、下記のように文章にしたためました。
どんな魔法かって?それは後術する私の設計理念を、建物に吹き込む事に始まる。家を建てる人は皆、家族の幸せを願っての事だ。家族の幸せとは、事情により多少の相違はあるが、少なくとも心身共に健康で、心が通い合い、笑顔が絶えない事が共通の想いであろう。家族とは社会の中で最小の集合体であり、富・名誉・世間体とは無縁の団体である。今や、安心・安全・健康な住まいは当然の事であり、時代の要求と環境の変化の中で多様化する空間に、くつろぎの場と家族団らんの時間を演出する事が大事な要素だと考える。住宅の新築・リフォームは、時として住まい手の人生観をも変えてしまう。今まで、そして今後ふれ合う家族の方が、幸せであり続ける事が、ささやかな私の夢であり、私の幸せである。
17.建築の祭事「地鎮祭」と「上棟式」いつもやる事じゃないから、わからない部分説明します。
 別のページにジャンプします。ご覧になりたい方はここ(祭事)をクリックして下さい。
18.住宅取得の資金計画書資金計画は融資から返済・税金まで考慮、その後のライフスタイルにも影響します。
 個人個人事情が異なる為、面談後に個別に作成しています。まず、希望する住宅の規模内容の確認をして、想定の建築費用を概算で算出します。資金計画を作成する場合、銀行融資可能限度額等、融資に関わる内容になる為、年収等、詳しい内容を伺う事になります。融資の申し込みには、所得証明、土地の登記簿謄本、印鑑証明、建設費の見積書等必要になってきます。融資の窓口は、大分銀行、伊予銀行、大分信用金庫、労働金庫、豊和銀行、大分県信用組合、未来信用金庫等大分県内の主要銀行を始め、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)及び日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)等々、多くの銀行に対して融資の実績もあり、必要有れば融資のお手伝いも出来ます。
住宅取得後の税金に関して詳しく知りたい方は、次章19.住宅取得と税金の欄をご覧下さい。
住宅取得の諸費用に関しては、ここ(諸費用)をクリックして下さい。PDFで作成していますので、別窓で開きます。
19.住宅取得と税金税制改革等で、しょっちゅう変動します。常に各省庁の最新情報でご確認下さい。
 住宅に関わる税金の種類をPDFにまとめています。ご覧になりたい方はここ(税金)(2010現在)をクリックして下さい。別窓で開きます。
尚、
最新情報をご覧になりたい方は、下記URLから、各官庁にリンクしていますので、そちらからご覧下さい。

国税庁タックスアンサー消費税・印紙税・登録免許税・所得税の特例、その他相続税・贈与税等
くらしと県税(大分県)不動産取得税
住宅取得に関わる地方税(大分市)固定資産税・都市計画税
20.事業収支計画書新たに事業をされる方の為に事業収支計画を作成します。
 ひとえに事業と言っても色々あります。事業に対して銀行融資を受ける為には、必ず事業収支計画が必要になってきます。父から兄に引き継がれた税理士業のアドバイスを受けながら、徐々にその辺の知識が身についたと言って良いでしょう。個人の方が新規事業を始める場合、知り合いの税理士がいて、取引の銀行が有れば事はスムーズに進むのですが、なかなかそういうわけにはいきません。いずれにしても建築費・改装費等、建築に携わる人の助言・計画内容に関わる見積書等が無くては、その設備投資額がわからないのが現状です。私は設計事務所がその知識を持ち、中心になって進行するのが一番の得策ではないかと常々思っています。その設備投資が必要を満たし、少しでも安くすめば、より収支計画にゆとりが出てくるのは言うまでもありません。工事を伴う業種の方が組む収支計画は、必ず建設費・改装費用に実際の工事金額より余裕を見るのが当たり前であって、収益を高めようとします。正直なところ設計事務所も同様の所はありますが、工事費と比べたら設計料の割合はかなり安く済み、集客を高める目的の店舗にはデザインと経験としての機能が伴い、施主に変わる品質管理としての現場監理もくっついてきます(^o^)。なんて。
1.賃貸住宅の経営
2.店舗・ショップの経営
3.ホテル・旅館の経営
4.公衆浴場の経営

当社では上記の物件に関して、数々の実績があり、銀行も紹介できます。しかし何と言っても必要なポイントとして、共通してどの業種にも言えるのが、経営者としての理念、その業種に関わる経験及び資金力(土地又は開業準備資金)そしてパワーです。収支計画等書類はその後に付いてくるものと考えていただいた方が良いと思われます。
21.長期優良住宅と住宅エコポイント当社では標準設計と心得ています。
 長期優良住宅の設計支援CADは、実施前から取り揃え、いつでも準備満タンです。数々の講習会にも行ってきました。従来からあった性能評価制度より所得税控除等の税制支援、住宅ローン金利優遇措置等もあり、内容的にも性能評価同様、消費者にとって資産を守り、住宅としての機能も充実した、強力な制度に生まれ変わったように思えます。建設費はその分確かに上がりますが、その分のもとは取れる内容だと思っています。さらに住宅エコポイントなる物が加わりました。長期優良住宅での申請になると、標準で省エネ基準を伴っているので、一石二鳥です(^_^)。新築の場合一戸あたり一律300,000ポイント有り、今のところ今年(平成22年)一杯に着工した物件が対象になっています。
長期優良住宅に関して詳しくは、国土交通省のHP、長期優良住宅関連情報又は住宅性能評価・表示協会をご覧下さい。
住宅エコポイントに関して詳しくは、2010住宅エコポイント事務局
(2011年7月をもって終了致しました。)をご覧下さい。

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